ロワール渓谷の古城としてユネスコの世界遺産に含まれているシュノンソー城。

実はここ、借金のかたにフランソワ1世に献上されたお城です。それが王族にお城が渡った歴史の始まりです。

フランソワ一世は、イタリアのルネサンスをフランスに懸命に取り入れた16世紀のフランスの王。

叔父のシャルル8世に世継ぎはいなくヴァロア朝嫡流は絶え、後を継いだ王家傍流オルレアン公だったアンリ12世も王女しかいなかったため、王家傍流で当時フランソワ1世にフランス王位が超棚ぼた式に巡って来ます。

初婚相手はアンリ12世の王女クロード。

ということで、シュノンソー城の入口には「神の恵みを受けたフランス王フランソワとフランス王妃クロード」と彫刻されている。

それでもって、フランソワ1世の紋章サラマンダーが、二人の名前の間にあるではないですか!
(この鳩が邪魔!威嚇しても逃げてくれない鈍い鳩でした…)

実はわたくし、個人的にどうもフランソワ1世は好きではないのです。イケメンは好ましいのですが、自分はいかにも凄い王だ、みたいなことを誇張するような言動で、前任者のシャルル8世とアンリ12世が苦労をして得た信頼や財産や人々などの甘い汁をおいしく頂いたみたいな?

それにこのクロード王妃、可哀想な方でして。不甲斐無い夫に振り回せて苦労してまして。国民から信頼の厚かった良き両親ルイ12世とアンヌ王妃に大切にされてました。そして、あのスペインを日が沈まない大国にしたスペイン王兼ローマ皇帝カール5世と赤ちゃんの時に婚約していて幸せになるかと思いきや、領地の相続問題のため、フランソワ1世のお妃にされてしまって不幸になった…けれどもクロード王妃の名は歴史上ではほぼ見られないのですが、なんと毎年フランスのスーパーや市場でお目にかかる!それは、プラムの種類に「クロード王妃 Reine Claude」なるものがあるからです。

このバスケットのプラムの内、緑のものがクロード王妃です。フランスのプラムはカラフルで楽しいのですが、この緑はお上品でしょう?味も酸っぱくもなく甘過ぎもなく、王妃が好んでいたので、その名前が付いたとのこと。毎年、夏になるとクロード王妃のプラムをを頂いて、物思いに耽るのです。だってクロード王女にはローマ皇帝カールと結婚して欲しかったから。そうなってたら歴史が思いっきり変わってましたね…

フランス プラム

っと、脱線してしまいました。

そうそう、フランソワ1世はちょっとあれですが、しかし、しか〜し、フランソワ1世の紋章サラマンダーが大、大好きでして、このシュノンソー城の入口を見て感動に打ち拉がれました。

ドアはシュノンソー城を初めに造ったフランソワ1世の侍従の家紋があって、これもなかなか、いい感じ。特に、キメラには痺れる!

城内側から見ると見事なステンドグラス。

こちらは城内のフランソワ一世のサロン。何故か、ディアンヌドポワティエの顔をした、狩りの女神ディアナの絵画が飾られている。

ルイ14世のサロン。ここの暖炉の上の彫刻も、フランソワ1世のサラマンダーが!クロード王妃の白鼬も並んでました。