スペインのバスク地方にあるサン・ファン・デ・ガステルガチェ。小島に浮かぶ教会と大陸を結ぶ絶景の階段!ハイキングをしましたが、本当に見事な景勝地でした。ゲームオブスローンズ、シーズン7のロケ地として人気急上昇ですが、実はここ、地理的に重要なので幾度も壮絶な戦いの場となっています。その一つが七人の侍ならぬ「7人の騎士だけで、カスティーリャ王自らが率いる大軍をこの地で追撃した」という戦いの物語。凄い逸話なので紹介します。実はこの7人の騎士のうちの隊長が君主で、王よりも王位継承順位は高いはずだった…

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サン・ファン・デ・ガステルガチェを守った七人の侍ならぬ「7人の騎士」

14世紀、1334年。7人の騎士は、カスティーリャ王のアルフォンソ11世の大軍を前に、サン・ファン・デ・ガステルガチェで一ヶ月も攻防。王軍は屈辱的に撤退」

というのが一般的に知られる通説です。

「7人の騎士」って誰?

「7人の騎士」って誰か気になりますよね?実は、7人の騎士の内の指導者がフアン・ヌニェス・デ・ララ(三世)です。祖父がカスティーリャ王国の王太子フェルナンド・デ・ラ・セルダで、曽祖父がカスティーリャ王アルフォンソ10世(妻はアラゴン王女)でした。しかし、王太子のフェルナンドは王よりも早く亡くなってしまったのをきっかけに、王太子の弟が父王を幽閉して、サンチョ4世として王位に就きます。本来ならば、故王太子フェルナンドが妻であるフランス王ルイ9世王女と残した幼い息子たちに王位継承権があるのですが…

ということで、7人の騎士の内の指導者フアン・ヌニェス・デ・ララ(三世)は、カスティーリャ王のアルフォンソ11世よりも本来の王位継承権的には王位に近いのです。

で、それだけではなく、フアン・ヌニェス・デ・ララ(三世)が、義理父であり叔父でもあるララの君主が亡くなった時に土地、城、お金をカスティーリャ王家が横取りしてしまいます。

そんなこんなで、搾取されまくりの王太子の血筋、フアン・ヌニェス・デ・ララ(三世)はアルフォンソ11世と敵対。何度もいろいろな土地で攻防戦を繰り広げます。

その内の一つがこの、ビスケー湾に浮かぶサン・ファン・デ・ガステルガチェでの戦いだったわけです。

自分も含めた7人の騎士だけで1ヶ月も王軍を攻防して、最後は王を諦めさせるなんて凄いですよね。

王だったら、恥ずかしいですね!

でもこんな場所、攻めにくいですよね。300年後に、有名な海賊のフランシス・ドレークに落とされるまで、大丈夫だったのでしたからね。

ハイキングルートの入口にこんな砲台もあったりする。サン・ファン・デ・ガステルガチェの方角に向けられていました!子供が乗って遊んでたりもしていました。

こんな小さな島なのに、とっても感慨深い場所です。自然の中に人工的なアート(階段)があって、しかも強烈な歴史があるなんて。サン・ファン・デ・ガステルガチェは、もの思いにふけるのに最高のロケーションです。いい旅できます。

▶︎ハイキングの様子や注意や準備の完全ガイドはこちら

▶︎ゲームオブスローンとの関係やサン・ファン・デ・ガステルガチェへの行き方はこちら