スペインのカスティーリャ・イ・レオンのブルゴスを散策していたら、ブルゴス大聖堂の前にあるサンタマリア門にまたまたレコンキスタの英雄エルシド(エル・シッド El Cid)を発見。それに剣を持ってます。剣だけ、メタルですよ!リアル感あります!この剣は炎の剣、ティソーナか、それとももう一つの伝説の剣、コラーダ(Colada)か、はたまた別の剣か。どちらにも似ていないかな。

ティッソーナを掲げたエルシドの騎馬像を見てからというもの、もう一本の伝説の剣について気になったので、ここで紹介したいと思います。

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サンタマリア門でカルロス1世とエルシドが500年もの時をスリップして並んでいる!

ブルゴス大聖堂の前にあるサンタマリア門。この門は城壁にあった普通の門だったのですが、太陽が沈まない国スペインの黄金時代に君臨したカルロス1世(神聖ローマ帝国皇帝カール5世、ブルゴーニュではシャルル4世でもある)をブルゴスに迎え入れるために凱旋門に改築したとのこと。

それでもって、興味深いのが、門の上でカルロス1世(16世紀)とエルシド(11世紀)が500年もの時をスリップして隣に並んでいる!ファザードの彫刻は上から、マリア様、天使、その真下がカルロス1世、右横の●がエルシド。

カルロス1世とエルシド。二人とも剣を持っています。

このカルロス1世の嫡子のフィリペ2世。そのフィリペ2世の剣のコレクションの中に、なんとエルシドのもう一つの伝説の剣、コラーダ(Colada)がありました!

こちらがフィリペ2世の剣のコレクション。●がエルシドのコラーダ(Colada)です。

エルシドの有名な伝説の2刀、ティソーナとコラーダは、どうやら両方ともスペイン王家に渡ったようです。

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エルシドのコラーダ(Colada)とは?

エルシドとは、レコンキスタで活躍した騎士であり軍師であり将軍であり貴族であり領主でもあった英雄です。エルシドとティソーナについてはこちら。

コラーダ(Colada)とは、スペインの叙事詩「わがシッドの歌」の主人公エル・シドが持っていた伝説の2刀のうちの1本で、鋳鋼(acero colado)でできています。

真実かは不明だが、コラーダがフィリペ2世の剣のコレクションに入っていて、16世紀に剣の柄を変えたものが、マドリード王宮で保管されています。

抒情詩では、バルセロナ伯爵ラモン・バランゲーを打ち取ったエルシドがコラーダの新しい持ち主に。二人の娘婿にそれぞれ、伝説の剣ティソーナとコラーダを譲るが、婿達はエルシドとの関係悪化で娘達に乱暴をして森に放置して逃走。その後、王の裁判で、娘婿は剣の返却、決闘の開催、慰謝料の支払いをすることに。決闘は、エルシドの配下でコラーダを渡されたマルティーン・アントリーネス対元娘婿ディエゴ・ゴンサーレス。結果は、元娘婿がコラーダで兜を割られた上、剣の平で殴られて敗走。

コラーダは、兜が割れる程の剣だったのですね!

コラーダの複製は古都で武器の街でもあるトレドで販売されていたりして、ピンからキリの複製ビンテージまであったりして、子供から大人までロマンを掻き立てられているのが伺えます。

どうせなら、ティソーナとコラーダを二本並べて美術館で展示して欲しいですね。

サンタマリア門の場所