バスク地方に行くとよく目にするのが、赤と緑のバスク旗、バスク十字、そしてリネンなどによくあるバスクストライプです。このバスクストライプとは?そこに込められる意味は?また、フランスとスペインにまたがる地域の独立は?バスク地方が奥が深いので、それを紹介します。フランス人やスペイン人という思いより、バスク人という思いのほうが強かったり…
バスクストライプとは?
バスクストライプとは、スペイン(4地域)とフランス(3地域)に又がる7つのバスク地方の結束の象徴を7本の線にしたものです。ストライプの意味は拠点の基盤でその発展を支えた海の波で、基本色は赤、緑、白。ただし、リネンには様々な色が使われています。
【スペインの4地域と中心都市】
- アラバ(ビトリア=ガステイス)
- ビスカヤ(ビルバオ)
- ギプスコア(サン・セバスチャン)
- ナバーラ(パンプローナ)
【フランスの3地域と中心都市】
- ラブール(バイヨンヌ)
- バス=ナヴァール(サン=ジャン=ピエ=ド=ポル)
- スール(モレオン)
出典:CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
バスク地方の独立について
バスク地方に住む人々は、自分たちはフランス人やスペイン人である前に、バスク人である!と思っている人も少なからずいます。自宅や店舗の軒先にはフランスやスペインの国旗より、バスクの旗を掲げてる割合が多いように見受けます。
こちらがパスクの旗。基本色の赤、緑、白。
バスクの歴史は先史時代からあって、あのアルタミラ洞窟(スペイン・カンタブリア州)やラスコー洞窟(フランス・ドルドーニュ県)と同じ時代の洞窟が至る所にごろごろと残っています。その後、西ゴード王国やイスラム勢力の支配下にあったりしながら、11世紀に今のバスク地方の原型とも言えるナバーラ王国の支配下になります。
それからナバーラ王国も、地方の権力者が治めたり、スペインやフランスに地域分断されたりして、今はスペインとフランス両国の地域に属して現在に至っています。
しかし、バスク地方(11世紀のナバーラ王国時代とほぼ同じ地域)というくくりで、フランス、スペインにある地域の人々は繋がっていて、1959年に7つの地域の独立を掲げてバスク紛争が勃発。結局両大国に抑え込まれて、2011年10月に停戦。
つい最近のことなのですよね。これと似たような話では、2017年にカタルーニャが独立するための市民投票など…
フランスもスペインも、もともと中小国が集まって出来た国。将来的に解体があるかはわかりませんが、バスク人という認識はあるのでしょうね。
日本で言うと、薩摩の国の人とか、三河の国の人とか、京都人とか、沖縄人とか、自分が日本人である前に、それぞれの土地の人間であるという意識があるような感覚と少し似ているのかもしれないですね。
どちらにしてもフレンチバスクもスペインバスクも、観光名所は多いし、海も山もあるし、料理やお菓子は名物がたくさんあるし、お土産も選び放題な素敵な地方ですので旅行や長期滞在におすすめです。