スペインのユネスコ世界遺産のエル・エスコリアル修道院はお宝の宝庫で、踏み入れる場所のほとんどに驚愕です。その中でも特に印象的なのは、王家霊廟。全面色とりどりの大理石を使っています。豪華さの中に質素さもあって、荘厳な王家のお墓である霊廟では他の場所とは違う何かを感じました。
現在100名程の王族ほどがこちらで眠っています。当たり前ですが、国王となった子を産んていない王妃や子なし王妃は国王とは別の場所で眠っていて、子なし女性としてはちょっと複雑な気分になったりもしました。
写真撮影は禁止だったので、ウィキペディアから画像を借りて来てお見せしながら内部を紹介します。
エルエスコリアル修道院の王家霊廟は、大聖堂と修道院の地下にあります。
By SalomonSegundo, via Wikimedia Commons
B:保存室
C: 次代王の母ではない王妃。王子、王女の霊廟。
E: 王と子を成した王妃の霊廟
入り口から地下へ
では、地下の霊廟へ向かいます。
その入り口です。
By Fabio Alessandro Locati, via Wikimedia Commons
階段を降りて後ろを振り向くとこんな感じ。ヨーロッパの高級ホテルの階段のような雰囲気です。黒と茶色の大理石だけの豪華だけどシンプルな、とても品があり格式高いデザインんです。
By Fabio Alessandro Locati, via Wikimedia Commons
C:王家子女の霊廟 The Pantheon of Infantes
階段を降りると、このような感じで、通路があり、ドアはないものの、小さな部屋で区切ってあります。美しい大理石の像に見守られているようです。荘厳美です。
正面奥に見えるのも棺です。3段重ねのデコレーションケーキのような形の複合棺です。
By Holo, via Wikimedia Commons
各小部屋の両端には、茶色の大理石をバックに白の美しい大理石で作られた棺のハプスブルグ家や、
By José Luis Filpo Cabana, via Wikimedia Commons
ブルボン家の王を産まなかった王妃、王子、王女が眠っています。名前とその紋章がそれぞれ記されています。
By José Luis Filpo Cabana, via Wikimedia Commons
奥の方には真っ白で、名前や紋章の付いていない棺も割とありました。今後眠りにつく王族用です。
王家子女の霊廟の一番奥には、3段重ねのデコレーションケーキのような複合された棺もあります。ここには60名が眠ります。これは1888年に完成されたものなので、省スペースのためではないでしょうか。
By Dorieo, via Wikimedia Commons
E. 王の霊廟
更に進むと最奥の間、王の霊廟があります。ここが一番省スペースなかもしれません。4段ベットで眠っているようです。こちらは黒と茶色の大理石に、金細工がアクセントとなっていて、シンプルです。
ここにはカルロス1世以降の代々の王と王妃が眠っています。(例外として、ここに眠っていない王や王妃、逆に王や王妃ではないが、王の生父母でもある王族もいる)
ピラミッドや古墳や兵馬俑など、広大な墓所は圧巻です。
それに比べてこの霊廟は狭い一室です。ですが、この一部屋にスペインという国を治めてきた歴代の王と王妃たちが全員集まって、4人で一つの柱をつくり、その柱が7つあって(現在2夫妻分のスペースが空いていますが)この霊廟を支えている。
そしてこの霊廟は、スペインの歴史と知識と栄華と富と精神世界を凝縮した縮図ようなこの複合施設を支えているように、ひいてはスペイン全体を、かつてスペイン帝国だった世界を支えているように感じました。
このエルエスコリアル修道院の中でも、観光ハイライト中のハイライトと言える非常に印象的なところでした。