スペインでクリスマスケーキはなく、お菓子の代表としてはトゥロンになります。
これはまあヌガーです。
トゥロンとは?また、ヌガーとの違いや現地でショップの様子を紹介します。
お店に行くと種類がたくさんあり過ぎて迷ってしまいますが、今回は伝統的なものに。
クラシックな基本のタイプを買ってきました。
トゥロン Turrón とは?
トゥロン Turrón とは、スペインでクリスマスの時期に食べるヌガーのお菓子です。
もともとは、イスラム教圏からアーモンドとハチミツを使ったお菓子が伝わって来て、15世紀にトゥロンらしきものが作られ、16世紀にバレンシア地方のアリカンテで発展してトゥロンが誕生しました。
その後トゥロンは、スペインはもちろん、スペイン帝国がかつて統治していた国々で食されています。
伝統的なものは、皮を剥いたローストアーモンドと卵白メレンゲと蜂蜜で固めたものです。
スペインのトゥロンは大別するとハードタイプ(左)とソフトタイプ(右)があります。
【ハードタイプ:トゥロン・デューロ】
トゥロン・デ・アリカンテ
Turrón Duro / Turrón de Alicante
ハードタイプのトゥロンは、トゥロンデューロ(固いトゥロン)やアリカンテ県のトゥロンと呼ばれています。
ローストアーモンドやナッツを60%以上使って、蜂蜜と砂糖と卵白メレンゲで固めたもの。岩のように固いものも。
こちらがクラシックなトゥロンデューロです。
すみません!アーモンドがうまく切れてなくて。綺麗な写真を載せたくて、5回くらいナイフを変えてトゥロンを切って切って切りまくったのですがこれがベストです。
お味の方はというと、凄ーく美味しいです!
食べ過ぎ注意です。止められない、止まらないっ!
キャラメルナッツのような感じ。
一番近い味の市販のものは、ハニーローストアーモンドかな。
関係ないですが、これも大好きです。
実はここだけの話ですが、機内で頂くピーナツがハニーローストだった場合、スチュワーデスさんに「よろしければ、余っていたらもう少し頂くことは可能でしょうか?」と聞いてみるのです。
気前のいい方は10袋くらい大盤振る舞いしてくれるので、フライト中はハニーローストピーナツ食べまくりです。うふふっ。
ハニーローストが大好きな方は、大変危険な食べ物です。
トゥロンデューロを好きになる確率200%。
爆食率高め。(独断の不確実な計算式による…)
1人で食べずに誰かとシェアをするか、爆食を止めてくれる人に監視をしてもらうこと必須です。
【ソフトタイプ:トゥロン・ブランド】
ヒホナのトゥロン
Turrón Blando / Turrón de Jijona
ソフトタイプのトゥロンは、トゥロンブランド(軟らかいトゥロン)やヒホナ町のトゥロンと呼ばれています。ヒホナ町はアリカンテ県の中でもトゥロン作りで有名です。
64%の粉末や砕いたアーモンドを蜂蜜と卵白メレンゲと蜂蜜と砂糖でペースト状にしたもの。歯ごたえは、チョコレートのプラリネの中に入っているナッツ系の具のような感じ。
中には柔らかくチューインガムのような歯ごたえで、歯にくっつきやすいものもあるそうですが、私はそういうものに出会った事はありません。
歯ごたえのバリエーションとしては、羊羹ぽかったり、カステラを重くしたものような感じのものもあったりします。
こちらがクラシックなトゥロンブランドです。
暖かいキッチンに置いておいたら、ちょっとアーモンドオイルが出てきました。(汗)
こういうこともあるので、気をつけてくださいませ。
しょうがないから、もう一枚トゥロンブランドを買いました。
今度はバッチリです。
お味は、こちらも凄ーく美味しいです。
個人的にはトゥロンデューロよりも好きです。
歯にはくっつきません。
トゥロンブランドで自作のプラリネを作ってみた
チョコレートのプラリネのアーモンド風味の中身みたいな味です。
そういえば、昨日食べたフランスで買ったベルギーチョコレートのプラリネに味が似てます。
昨日食べたショコラはこちら。これはベーゼルナッツでしたけど、まあ同じナッツですから。
トゥロンブランドをチョコレートでコーティングしたら、本当にプラリネになると思います。
ということで、探究のため、実験をしました。
カカオ70%のショコラのクベルチュール(お菓子製作用のチョコ)を溶かして、プラリネサイズに切ったトゥロンブランドの上に掛けてみる…
はずだったけど直ぐに固まりかけたので乗せた形になりました…(汗)
それを一口で、あ〜ん。
お、美味しい!これは、ベルギーのアーモンド味のプラリネのショコラと同じ味と言っていいくらいです。
実験が新たな食の発見に!なんて素晴らしい!
バリエーション
私の独自実験バリエーションは別として、近年はバリエーションとして150種類以上も出している専門ショップもありますね。
各種ナッツ、ココナツ、ドライフツーツ、マジパン、シリアル、ヨーグルト入りなど。なんでもありです。
あとは、スペインの銘菓をもじったもの。クレームブリュレのスペイン版、クレマカタラーナの味とか。卵黄クリームのお菓子のジェマ味とか。
チョコレートバージョンもたくさんあって、板チョコに粒アーモンドが入っているだけだからそれは「アーモンドチョコレート」でしょう?と言いたくなるものもあったりします。
トリュフやプラリネバージョンに至っては、もうこれはチョコレートだといい切ってもいいのではないかと思います。
私の実験に近いものですね。
まあ、しかし、チョコレートのプラリネで、薄いチョコレートでコーティングされたナッツのクリームもプラリネのチョコレートと言う訳ですから、どっちもどっちなのかもしれませんが。どう考えても量からしてチョコレート風味のナッツクリームなんですけどね。
でもまあ、スペインでは、ドイツのシュトーレンやイタリアのパンネトーネよりも、バリエーションを作る意気込みは凄いですね。
トゥロンとヌガーの違い
トゥロンとヌガーは、結局同じものなのです。
しか〜し、私が個人的に、あくまても個人的に決定的に違うと思うことがあります。
伝統的なハードタイプのトゥロンについてです。
それは、アーモンドの含有量です。
トゥロンの場合、アーモンドは少なくても60%以上入っているのですが、他国のヌガーの場合は含有量がそれに比べて少なくて、半分以下のところも多いように見受けます。私の場合、ヌガーはあまり食べないせいもあるので偏っているかもしれません。しかし、調べてみると、間違っていなければ他の国は特にアーモンドの量の規定はないようですね。
フランスは蜂蜜が多く入っているヌガーは高級という節があります。
スペインのトゥロンは、アーモンドが主役で、それをくっつけるためだけに蜂蜜や卵白メレンゲを使っているというように見えるのです。
トゥロンを売っているお店
トゥロンは、トゥロンの専門店、お菓子屋さん、パン屋さん、市場、デパートの特設コーナー、スーパーなど、クリスマスの数ヶ月前からどこでも買えるようになります。
量り売りのトゥロン デパート特設コーナー
スーパーのトゥロン
これ、全部トゥロン!
市場のトゥロン専門店
試食ができるのがいいですね。こっちも美味しいし、あっちも美味しい。
一枚しか買わなかったのに、定員さんがすすめるので、ついつい試食をいっぱいしちゃいます。
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