スペインの世界遺産、セゴビアに行ってきました!観光ハイライトは何と言ってもローマ時代の2000年前に施工されたローマ水道橋。細い、長い、超高いし、凄い構造です!よくこんな巨大で繊細なものを古代の人たちが作ったものだ、と感心。これを発明した人って天才じゃないですか?作った技師の技術も凄い!ヨーロッパ各地に残る水道橋の中でも、美しさ、繊細さ、迫力は随一ではないですか!
丈夫で今でも現役で使えるなんて、感動で震えます!この水道橋を通った山からの清水を飲んでみたかった!
ローマ水道橋の構造とお水のルートや施工がとっても気になったので、あまり情報がない中で文献をひっくり返して調べてみましたので紹介します。
この水道橋が施工された当時、セゴビアへのお水は、
セゴビアの街外れにあったこの看板。
ローマ水道橋の構造と15kmのお水のルート
水源はグアダラマ山脈の小さな川
水道橋を通じてセゴビアへ供給されたお水は、グアダラマ山脈(Sierra de Guadarram)の小さな川を水源として15 kmの旅をします。もともとローマ人はわき水がお気に入りなのですが、セゴビアの近くにはなかったのでこの水源が選ばれたようです。
西側:Cabeza Grandeで0.43%の傾斜。水路は深さ60cmで幅60cm
グアダラマ山脈の標高1255mの地点から、西側にあってハイキングルートにもなっているCabeza Grandeまではわずかな0.43%しかない傾斜の水路になっています。水路は、どこもほぼ均等で深さ60cmで幅も60cm程。
北側:Fuentecilla de Tilviejoで傾斜が13.5%
それが北側にくると突然傾斜が13.5%になってFuentecilla de Tilviejoへ向かいます。
Fuentecilla de Tilviejoから、真っ直ぐセゴビアの街へ。傾斜1%
で、Fuentecilla de Tilviejoからはセゴビアの街に向かって直線の水路で傾斜1%になります。この傾斜の角度が重要なんです。というのは、急すぎると次のステップでお水の浄化ができなくなってしまいますので。
第1次浄化 カサ・デ・ピエドラ(石の家、またはエル・カセロン)
セゴビアの街に近づき、コロッセオの手前に、カサ・デ・ピエドラ(石の家 Casa de Piedra/el Caserón)という建物の中でお水を濾過します。その後、コロッセオを通り過ぎて、もう少し進むと、壁が現れてその上に水路が通るようになります。
第2次浄化 カサ・デル・アグア(水の家、Casa del Agua) 水道橋はすぐそこから始まる
そしてカサ・デル・アグアに到着して第2次の沈殿式の浄化をします。カサ・デル・アグアを通り過ぎるともうすぐそこに、低い水道橋が現れます。
巨大な水道橋へ
街へ続く道がだんだんかなりの下り坂になってくので、傾斜をほぼなくすために水道橋はだんだん高くなってきます。で、ここが一番高い部分の水道橋がいよいよ現れます。28mもあるのです!
アルカサルへ
お水は街中を通って、最終地点のアルカサル(お城 Alcazar)へ到着です!
ローマ水道橋の施工
水道橋の数値データや特徴をまとめると、
- 1、2世紀にローマが施工。
- セメントや杭などの接着物を一切使っていなくて2000年の時を経ても使える驚愕の施工。
- 1072年にイスラム勢力が撤退する際に一部破壊。それを15世紀にイザベラ1世が修復。この上の小石を集めて固めた部分が修復部分です。
まとめ
とにかく七不思議な巨大な建物です。この構造や施工を考えた人は偉大ですね。ローマ水道橋は各地に残っていますが、間近で見れる巨大で印象的なものとしては、ゼゴビアのものが一押しです。
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